タイ北部の美しい村「美斯樂(メーサロン)」にある有機栽培の烏龍茶と紅茶の製茶所を訪れました。

有機茶園 お茶のお話
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タイ最北端近くにある美しい村「美斯樂(メーサーロン)」の有機茶園と製茶所を見学しました。緑美しい豊かな自然の中で育まれた極上のタイ烏龍茶やタイ紅茶、そしてタイの東方美人にも出会うことができました。

美斯樂(メーサロン)っていったいどこにあるの、どんなところ

美斯樂(メーサロン)っていったいどこにあるの、どんなところ
美斯樂(北京語読みでメイスールー)とは地名の「メーサロン(mae salong)」を漢字表記にしたものです。タイ最北端に近くにあるのでちょっと先はビルマです。高台からはビルマが見えるぐらいです。

国民党軍隊の子孫とタイ山岳少数民族が平和に暮らしている純朴な山間の村です。未だ手つかずの豊かな自然が残っており緑広がる美しい山々の景観は素晴らしく心和ませてくれるところです。近年は観光地として国内外の観光客が多く訪れる北タイの名所になっています。
村には雲南省出身の華人が多く住んでいて、看板などは漢字も多く併記されていて北京語が通じます。北京語の他には、雲南語、タイ語、そしてアカ語(少数民族アカ族の話す言葉)が話されています。
そして、なによりもお茶の栽培がとても盛んなところで重要な産業となっています。

タイのお茶のイメージが覆りました[良質なお茶が作られていました]

その昔、タイ産球形烏龍を台湾のあるお茶問屋さんでテイスティングしたことがります。その茶葉は見た目だけは綺麗に揉捻されていましたが、味わい・香りとも物足りなく感じました。そのためタイのお茶はそれほどレベルが高いものではないというイメージをずっと持っていました。

しかし今回そんなイメージは吹っ飛びました。
いつからこんな良質なお茶が作られていたのかっ—! と、衝撃でした。もっと早く美斯樂(メーサロン)に来るべきだったと後悔したほどです。

有機茶園オーナーのお話[ 美斯樂(メーサロン)のお茶の特徴]とは

30年ほど前に美斯樂(メーサロン)に来た台湾南投出身の盧さんは、美斯樂(メーサロン)のお茶産業に大変貢献した方で、タイ王室からも表彰されたことがあるほどの人です。
美斯樂(メーサロン)のお茶の特徴を聞いてみました。

台湾と同じく美斯樂(メーサロン)でも、青心烏龍、金萱、青心大冇、四季春、などの品種が栽培されているが、

   ▼台湾高山茶のような清香系のお茶は…
      台湾まではおいしくならない。
   ▼濃香烏龍・紅茶・東方美人など発酵が高めのお茶は…
     台湾にも勝ると劣らないおいしいお茶ができる。

では、同じ品種でも台湾だけがおいしい高山茶ができる理由とは?

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・土壌と短い日照時間
・海洋性気候による調和された湿気(台湾が高山茶に適してる最も大きなポイント)

一方、美斯樂(メーサロン)でおいしい発酵が高めのお茶ができる理由とは?

・日照時間が長いため十分な発酵時間を与えられるので発酵が高めのお茶に有利。
 日照時間が長い → 日光萎凋をコントロールしやすい

※日光萎凋と室内萎凋が発酵を決める重要な工程です。特に日光萎凋はより高い香りを引き出せる要因になっています。 また、東方美人に不可欠な “ウンカ” の発生時期が3月~と長くあり、香り高いおいしいお茶ができる条件が揃っている。

美斯樂の夢 [ 美斯樂(メーサロン)のお茶を世界中に知られるようにしたい]

盧さんには大きな夢があります。美斯樂(メーサロン)を台湾の鹿谷郷のように、お茶屋さんと製茶所で賑わうように…それはすでに実現しています。村にはたくさんのお茶屋さんがひしめき合って、観光茶園も国内外の観光客でとても賑わっています。
その次は、美斯樂(メーサロン)のお茶を世界中に知られるようにしたい、それが私の使命だと言ってました。

2018年の東方美人もテイスティングしてみましたが、これもまた飲んでみてビックリ、香りのインパクトがハンパありません。しかし、これはそれほどおススメではないので来シーズンを期待していてと言われました。さすがです、茶人のこだわりを感じました。

美斯樂(メーサロン)でお茶産業が発展した理由[台湾政府の支援と貢献]

日本ではあまり知られていませんが、かつて美斯樂(メーサロン)は取り残された国民党の軍隊があった場所で、その昔はアヘンなどを栽培して生計を立てていました。
1980年代よりタイ王室のタイ北部山岳地帯麻薬撲滅プロジェクトに協力して、台湾政府が茶樹の苗と農業指導チームを送り込みました。
今の美斯樂(メーサロン)のお茶産業や観光茶園としての成功に大きく貢献しました。

美斯樂(メーサロン)のお茶のまとめ[タイの台湾茶?]

メーサロンのお茶は台湾から苗を持ってきて、台湾の製茶機械を使用して、台湾のお茶づくりの技術で作り上げています。茶葉のパッケージも販売方法も台湾茶とほぼ同じです。タイの台湾茶と言ってもいいかもしれません。

しかし、一見台湾茶のようですが飲んでみるとどこかが違います。土壌や気候がお茶づくりに大きな影響を与えることがよくわかります。環境の違いをうまく生かして、メーサロンならではのお茶作りに挑戦し続ける未来が楽しみです。

ぜひ一度、美斯樂(メーサロン)のお茶をお楽しみいただければ幸いです。(平和な緑美しい山々を想像しながら…)

●焙煎深めコクと香りが素晴らしい烏龍茶
» タイ烏龍茶 美斯樂(メーサロン)濃香烏龍
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【YouTube】動画でもメーサロンのお茶についてお話しています

タイ北部メーサロン(美斯樂)で作られる烏龍茶や紅茶そして東方美人のお茶の話

動画でもメーサロンのお茶についてお話しました。メーサロンの村の雰囲気や、有機茶園や製茶所の様子がわかります。

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