メーサロン(美斯樂)[国民党の子孫の暮らす村]を巡る

メーサロン タイの旅
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ずっと来たかったタイ北部のメーサロンで歴史背景を感じながら旅します。いくつかの観光スポットをご紹介します。
前回までの旅日記↓

メーサロンについては↓でお茶の話と一緒にご紹介しています。
タイ北部の美しい村「美斯樂(メーサロン)」にある有機栽培の烏龍茶と紅茶の製茶所を訪れました。

メーサロンの朝、朝市を歩く

メーサロンの朝はにぎやか、新生旅館の近くでは朝市が始まります。野菜やお惣菜を売る人やお土産を売る山岳少数民族など様々です。市場もあったので覗いてみました。

市場では油條(中華揚げパン)を揚げていました、そして温かい豆乳。中国や台湾の朝の定番メニューですね。揚げたてがやっぱりおいしいですが、あたりいちめん油のにおいで酔いそうでした(-_-;)。オーダーは中国語がふつう~に通じてなんだかタイではないような感じです。

市場を出て道端で棗(ナツメ)を発見! 大きめの赤いドライナツメを食べたことはありますが、こんなに大きな生のナツメは初めて見ました。シャキシャキしていてまるでリンゴのようでした。

二日目の朝に初日と同じように油條と豆乳を食べに行きました。相席のお客さんが親切にもお茶を淹れてくれました、よく見るとなんと昨日棗を売っていた方でした。
せっかくなので少しお話をしました。国民党の軍隊の末裔ではないですが、やはり雲南省から移住してきた雲南人とのことです。この日は日曜なのでお仕事はお休みでこれから息子さんと教会に礼拝に行くとのことです。地元の方とお話すると色々理解が深まって楽しかったです。

メーサロンの市場

メーサロン0km、バンコク895kmと書かれたチェックポイントの付近では、野菜や果物、乾物やお土産を売っています。朝市よりは観光客向けという感じがありますが、アジアの田舎町の雰囲気がでてますね。

泰北義民文史館を見学【国民党の孤軍について考えさせられます】

今のメーサロンはお茶やコーヒーと観光で栄えていますが、1987年に武装解除に応じるまで国民党の孤軍がありました。戦死した国民党の軍人を祀る立派な記念館が建てられています。どのように国共内戦を経て国民党軍隊がメーサロンへと至ったのかと、台湾の援助を受けて村が築かれていった様子などメーサロンの歴史を学ぶことができます。

日本ではあまり知られていませんが、共産党との戦いを経て異国へと至る国民党軍隊の苦闘を描いた、作家「 柏楊 」の小説【異域: 中国共産党に挑んだ男たちの物語】、そしてその映画(英題:A Home Too Far 1990年作)があります。香港スターの劉徳華(アンディ・ラウ)も出演しています。続編の異域之末路英雄/END OF THE ROADでは、香港スターの梁朝偉(トニー・レオン)が主演しています。映画はとても悲惨で観ていて殺し合いだけの戦争はほんとうに嫌やだなぁと…悲しくなりますが、国民党の孤軍とメーサロンについて理解が深まると思います。

また、現在引退ツアー中の台湾の国民的スター歌手「費玉清( 張菲の弟)」が若い時に歌った「 美斯樂 」という歌があります。こちらは「 美斯樂を気にかけて支援しましょう」というような歌詞となっています。台湾とメーサロン(美斯樂)とはとても深い関係があるのを感じることができると思います。

費玉清 – 美斯樂 Mae Salong

費玉清 の歌う “美斯樂(Mae Salong)、” 映画「異域」のシーンも少しあります

メーサロンの中華学校「美斯樂興華中學」

メーサロンの中華学校で 「段希文將軍」によって創設された小学校と中学校があります(卒業生の寄付により建立された銅像があります)。ここに通えば中国語もペラペラですね。

国民党93師団の「段希文将軍」の霊園

メーサロンで様々な功績を残した「段希文将軍」の死後、興華中学の卒業生が建築費用を捻出して、メーサロン全体を見下ろせる高い丘の上に立派な霊園を作りました。

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霊園の番人さんがお線香をあげて説明してくれました。
台湾は民進党政権になってから援助が少なくなったと言っていました。最近は中国からの観光客が多いそうです。

Wat Santikhiri(ワット・サンティキーリー)を参拝

メーサロンの山上には故プミポン前国王のお母様「シーナカリン王太后」の遺骨が納められたお寺があります。
シーナカリン王太后はタイ北部地域に大きく貢献し、タイ王室が貧困な農村部を支援するために始めた「ロイヤル・プロジェクト」も手がけました。

お寺からのメーサロンは絶景、美しい山々が眼下に広がります。

メーサロンに一つしかないセブン-イレブンの前から北側を見上げるとワット・サンティキーリーが見えます。夜はライトアップされてメーサロンの村を見守っているような感じがしました。

元【新生旅館】のオーナー「賀大哥」に会いに行く

今回泊った『 新生旅館 』は1970年にメーサロンで初めてできたゲストハウスで、創業者がお亡くなりになった後、その長男さん「賀大哥(ホー兄さん)」が台湾から帰ってきて運営していましたが、2年前に妹さんにバトンタッチしました。
その後引退したと言われていましたが、つい1年ぐらい前にまた新たにゲストハウス「Mr.Ho guest house (美斯樂賀大哥平價民宿)」 をオープンしました。

メーサロンの宿を探していると「 賀大哥 」の名前が度々出てきました 。気になって調ると、とても気さくでホスピタリティにあふれた人物として知られていて、多くの旅人から慕われているようでした。何度も会いに来る台湾人もいるそうです。メーサロンに来たら是非会ってみたいな~と思っていましたので会いに行きました。とても明るくフレンドリーでサービス精神があります。また、タイ語・中国語・台湾語・雲南語・英語と多国語を話し、さすがに台湾に30年も住んでいたら、台湾語は台湾人みたいな発音でした。 次回は
賀大哥のゲストハウスに泊ってみたいと思います。

賀大哥に聞きました。「段希文将軍」は格段に尊敬されているようですがそれはなぜですか?」

なぜなら、段希文将軍は人民を愛し、色々ととても良くしてくれたからです。私たちも更に進学できるようにと台湾へ行かせてくれましたから・・・

段希文将軍はここメーサロンの人々の心の中に生きているようでした。

「101号茶畑」 101 tea plantation [ไร่ชา101 ดอยแม่สลอง]

メーサロンを代表する「101茶畑」を見に行きました。宿泊にレストランやお茶の販売もあり観光にも力を入れている大規模な観光茶園でした。都会から来たタイ人も多く遊びに来ているようでした。茶畑ではカゴと帽子を借りて茶摘みをする様子を写真で撮ることができて楽しめるようになっています。お茶の葉の隙間から山々が見え隠れする茶畑に心癒されますね~。

短い滞在時間でしたが、小さな村なので2日もあれば十分に主要な観光ポイントを回ることが出来ました。次はメーサロンを下山してチェンマイに戻ります。

↓メーサロンのお茶についてはこちらでご紹介しています。

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